がん再発予防を期待する患者の免疫力改善におけるシイタケ菌糸体の有効性を確認(2009年4月)

「食品成分とがん免疫」に関わる有用な評価方法として、新しい指標を採用し臨床試験を実施

がん再発予防を期待する患者の免疫力改善におけるシイタケ菌糸体の有効性を確認

―2009年4月22日(水)米国癌学会(AACR;AMERICAN ASSOCIATION FOR CANCER RESEARCH)100周年記念大会(米国コロラド州デンバー)にて発表―

 小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林 豊)は、財団法人大阪癌研究会と共同で「食品成分とがん免疫」に関する研究を行い、新免疫指標によってシイタケ菌糸体のがん再発予防を期待する患者への有効性を確認しました。この研究成果について、4月22日(水)に米国デンバーで開催された米国癌学会 100周年記念大会において発表いたしました。(発表者 福岡大学名誉教授 永山在明医師)

 近年、がん免疫治療分野では、「免疫活性化と免疫抑制化のバランス」が重要視されています。ヒトの体内にはもともと、がん細胞を攻撃する免疫細胞(善玉免疫細胞)が存在しますが、がん細胞は、この免疫細胞の働きを抑える免疫抑制細胞を増殖させて、がん細胞を攻撃できない状態にします。そのため、近年、どうやってこの免疫抑制細胞の働きを止めるかが注目されています。

 また、食品摂取による免疫力の向上を期待するがん患者が多い中、これまで食品摂取による免疫力向上を評価できる確かな指標は見当たらず、有用な食品を開発する上で障害となっていました。

 弊社と(財)大阪癌研究会は、注目されている免疫の「バランス」に着目して、血液中のさまざまな免疫物質を臨床試験で測定する中で、食品摂取によるがん患者の免疫力を評価できる新しい方法として、「IFNγ/IL10産生比*」が有用であることを発見しました。

*【IFNγ/IL10産生比とは】
「IFNγ/IL10産生比」は血液細胞の免疫機能の活性化と抑制のバランスに着目した新しい評価方法です。

がん細胞への攻撃と抑制

(1)IFNγ(インターフェロンガンマ)
がん細胞を攻撃する善玉免疫細胞が作る免疫活性化物質のひとつ

(2)IL10(インターロイキン10)
善玉免疫細胞の働きを抑える免疫抑制細胞が作る免疫抑制物質のひとつ

がん細胞への攻撃と抑制|(1)IFNγ(インターフェロンガンマ)|IL10(インターロイキン10)

さらに、弊社と(財)大阪癌研究会は、「食品成分とがん免疫」に関わる新しい免疫指標「IFNγ/IL10産生比」を用いて、シイタケ菌糸体の有効性を確認するために日本人での臨床試験を実施しました。その結果、シイタケ菌糸体含有食品がこの産生比を改善することを確認し、「がん患者への免疫力改善効果」があることを確認しました。

結果

(1)IFNγ/IL10産生比は、がん患者の免疫力を正確に知るのに有効

(2)シイタケ菌糸体はがん再発予防を期待する患者のIFNγ/IL10産生比改善に有効な食品であると確認

考察

食品成分によるがん患者の免疫力への効果を知るのに、IFN-γ/IL-10産生比を測定することが有効であることが判り、今後、がん患者の免疫に有用な食品開発が進むことが期待できる。

食品成分とがん免疫に関する臨床研究結果

研究期間:2003年7月23日~2008年5月28日

実施施設:(財)大阪癌研究会関連医院、研究監修医:永山在明医師

【研究(1)】

結果:複数の指標の中で、IFNγ/IL10の産生比が、がん患者で統計的有意に低位だったことを確認した。IFNγ/IL10産生比はがん患者の免疫力を評価するのに有効。

実験方法:一般成人25名とがん患者66名の複数免疫指標を測定し、一般成人とがん患者の違いを評価した。

被験者 :一般成人25名、がん患者66名

評価項目:複数の免疫指標

一般成人とがん患者のIFNγ/IL10

【研究(2)】

結果:シイタケ菌糸体等を含む食品成分を摂取することで、がんの再発予防を期待する患者の免疫値(IFNγ/IL10産生比)が改善することが確認できた。

実験方法:シイタケ菌糸体等を含む食品成分を13名のがんの再発予防を期待する患者が摂取し、摂取期間中のIFNγ/IL10 産生比の変化を評価した。

被験者 :がんの再発予防を期待する患者13名(がん治療終了後の患者)

被験食品:キノコエキス含有食品(1日あたりシイタケ菌糸体1500mgまたは相当量のキノコ混合エキス)

評価項目:IFNγ/IL10産生比(末梢全血刺激培養法)

食品摂取による治療終了がん患者のIFNγ/IL10値の変化


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