研究1 免疫抑制を解除し免疫力を高める【シイタケ菌糸体の研究成果】

小林製薬では、長年アガリクス・霊芝・メシマコブなどの様々な食品成分が免疫力にどのように働くか、研究を重ねてきました。
そして、シイタケの菌糸体エキス(以下、シイタケ菌糸体)が、注目の免疫抑制細胞を抑え、免疫抑制を解除する作用を持つことを発見したのです。

免疫抑制の仕組みとは

①・②の研究でも明らかな通り、
一定の条件で免疫を抑制する「免疫抑制細胞」などが異常に増えることがわかってきました(図1)。

図1:一定の条件で免疫を抑制する「免疫抑制細胞」などが異常に増えることがわかってきました。リンパ節中の免疫抑制細胞。この黒い細胞が、免疫抑制細胞なんです。

すると、免疫抑制細胞などが邪魔をして、免疫細胞は増えたり、活性化することができません。
その結果、免疫細胞は、標的にたどり着くことや攻撃することができなくなってしまいます。(図2)。

図2:免疫抑制細胞などが邪魔をして、免疫細胞は増えたり、活性化することができません。その結果、免疫細胞は、標的にたどり着くことや攻撃することができなくなってしまいます。

どうすれば免疫は力を取り戻せるの?
免疫抑制細胞を減らし、免疫が本来の力を取り戻せば、異物などを攻撃・排除できることが期待できます(免疫抑制の解除)(図3)。

図3:免疫抑制細胞を減らし、免疫が本来の力を取り戻せば、異物などを攻撃・排除できることが期待できます(免疫抑制の解除)

免疫抑制を解除する成分を発見

免疫抑制を解除する研究成果の2つをご紹介します。
この研究では、免疫力が低下した方に4種類の食品成分を長期間(20週以上)摂取してもらいました(図4)。

①「担子菌製剤経口摂取による宿主免疫抑制改善への影響検討」
(Ishikawa S. 癌免疫外科研究会(2014))

免疫抑制細胞が増え、免疫が低下状態にある人において、免疫のバランス(IFN-γ/IL-10 産生比)、免疫抑制細胞が減少(改善)する効果が報告されました。

図4:この研究では、免疫力が低下した方に4種類の食品成分を長期間(20週以上)摂取してもらいました。

対象

がん治療後に免疫抑制により免疫力が低下している方 16名

方法

担子菌類製剤として、シイタケ菌糸体エキス(LEM)、冬虫夏草菌糸体エキス、霊芝子実体エキス、メシマコブ子実体エキスのいずれかを20週間経口で摂取。免疫パラメーターとして、末梢血刺激培養上清中のIFNγ、IL-10及び末梢血制御性T細胞を初期値と20週後の2回測定した。

結果

LEM摂取群では免疫バランスが改善し、免疫抑制細胞の増加が改善する効果が認められました。

次の研究では、
免疫を増強する方法の1つ「ペプチドワクチンの接種」だけを行った場合と、「ペプチドワクチンの接種とシイタケ菌糸体の摂取」を併用した場合を比べました(図5)。

②「シイタケ菌糸体抽出物の経口摂取による担癌での免疫抑制解除と抗癌ペプチドワクチン効果の増強.」
(Tanaka K Biotherapy vol25, 2011)

この研究では、マウスにメラノーマ細胞(皮膚がん細胞)を接種すると、免疫力が低下するが、このマウスにシイタケ菌糸体を摂取させると、免疫力の低下の原因となる免疫抑制細胞が正常のマウス程度にまで戻るということ。
また、その結果として正常な抗腫瘍免疫反応(IFNγの産生)が起こることが報告されています。

図5:この研究では、マウスにメラノーマ細胞(皮膚がん細胞)を接種すると、免疫力が低下するが、このマウスにシイタケ菌糸体を摂取させると、免疫力の低下の原因となる免疫抑制細胞が正常のマウス程度にまで戻るということ。また、その結果として正常な抗腫瘍免疫反応(IFNγの産生)が起こることが報告されています。

対象

マウス(b6)

方法

マウスメラノーマ細胞(b16)を皮下に接触したマウスを、無処置群とワクチン単独群、さらにワクチン接種とシイタケ菌糸体2%配合餌を併用した群に分け、免疫抑制細胞に与える効果、免疫機能に与える効果を検証。

結果

シイタケ菌糸体併用のワクチン単独群では、有意に免疫抑制細胞が改善され、ワクチン単独群よりも強い免疫機能(IFN-γの産生)の改善が認められました。


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