シイタケ菌糸体に着目した理由

がんと向き合う天然由来成分の研究

小林製薬では、がんと向き合う免疫力を高める素材を探索するため、これまでにアガリクス、霊芝、メシマコブ、フコイダンなど様々な天然由来成分の比較・研究を行ってきました。

その中で、シイタケ菌糸体が、現在がん治療の鍵の一つとして注目されている免疫抑制細胞(Treg(ティーレグ)細胞など)を抑え、がんに対する免疫力を正常に回復させる作用を持つことを発見しました。

図:天然由来成分の比較・研究一覧シイタケ菌糸体:βグルカン、αグルカン、シリンガ酸、バニリン酸、アラビノキシランなど。アガリクス:αβグルカン複合体など。霊芝:βグルカンなど。メシマコブ:βグルカンなど。フコイダン:フコース硫酸多糖など。

がん特有の「免疫抑制」とは?

最近の研究で、多くのがん患者さんの体内には、がん細胞を排除できる免疫細胞がしっかり存在していることがわかってきています。しかし、がんになるとがん特有の「免疫抑制」状態になり、「がんと向き合う免疫力」が無力化されてしまい、免疫力が本来の力を出せていないことがわかってきました。そして、がんになると異常に増殖する「免疫抑制細胞」がこの「免疫抑制状態」を引き起こす主な原因の一つということも明らかにされています。そこで現在、新しいがんの治療方法として、「免疫抑制」を低減して、免疫力を回復させる方法の開発が進められています。

これまでに、私たちが開発したシイタケ菌糸体は、複数の大学病院・医療機関で研究が実施されています。2015年には、術後補助化学療法中の乳がん患者を対象とする二重盲検試験(ランダム化比較試験)も実施され、シイタケ菌糸体の「QOL改善作用」「免疫抑制を緩和する傾向」が報告されています。

小林製薬のがん免疫研究のあゆみ

小林製薬の癌免疫研究は、1990年代に始まり、以来20数年間、がん免疫の分野で、がん患者さん、医療関係者から信頼されるため、一歩一歩ですが、着実に研究を積み重ねています。

1995年頃
基礎研究の開始
小林製薬は、担子菌類の基礎・薬理研究を開始。
2000年頃
臨床研究の開始
がん免疫療法の医療機関と共同で、アガリクス、霊芝、メシマコブ、フコイダン、シイタケ菌糸体などの天然由来成分の研究を開始。
 
このとき、様々な天然由来成分を摂取された患者さんの中でも、シイタケ菌糸体を摂取された患者さんで、免疫力が維持されているケースがあることを発見!
 
同時に、シイタケ菌糸体を摂取された患者さんでは、免疫を抑制する物質が少なくなっているデータを取得。(がん患者さんの免疫力を無力化する免疫抑制に対して、シイタケ菌糸体が、効果があるのでないかという仮説を持つ)
 
シイタケ菌糸体の臨床研究が複数の大学医学部で開始。
2010年頃
免疫抑制解除の研究開始
シイタケ菌糸体の「免疫抑制細胞」に対する作用について大学医学部と一緒に共同研究を開始。
 
がん個体では免疫抑制細胞が異常に増加し、シイタケ菌糸体を摂取するとこの異常増殖が抑えられて、免疫が良い状態に回復するという研究結果を論文発表。
 


<主な研究発表>
・再発予防ステージ患者の免疫抑制を解除&免疫機能を回復(米国癌学会2009)
・免疫細胞療法と併用試験で免疫抑制細胞の増加を抑制 (論文発表2012)
 


<免疫療法に関わるTOPIC>
・2011年免疫抑制解除のメカニズムを持つ医薬品が米国で承認される。
・2013年科学雑誌「サイエンス」のブレイクスルー・オブ・ザ・イヤーに「免疫療法」が選ばれる。免疫抑制への関心度が高まる。
2015年頃
<免疫療法に関わるTOPIC>
・2014年免疫抑制解除のメカニズムを持つ医薬品が日本でも発売。
・2015年日本乳癌学会で、乳がん術後補助化学療法中の患者に対するシイタケ菌糸体を使った二重盲検試験の結果が発表されるなど、天然由来成分における高いエビデンス(科学的根拠)の取得がすすむ。

現在、シイタケ菌糸体は「免疫抑制」の研究だけでなく、様々ながん種や治療のステージごとに研究成果を発表しています。


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